沖縄の美しいリーフエリアでの五目ルアーフィッシング。
五目釣りと言うと、本州では色んな種類の小型魚を狙うライトゲームをイメージする方も少なくないと思いますが沖縄の五目釣りは少し規格外、50cmを超えるようなフエフキ、メッキ、ハタ等が掛かることも。
筆者は過去に数度遠征に行っており、沖縄の釣りが大好きになりました。
そして沖縄のルアーフィッシングにおいて大人気なのがスプーン、本州ではスプーン=トラウトというイメージですが沖縄では定番のソルトルアーという位置付けです。
その代表格が蛙スプーンというスプーン、沖縄生まれのローカルスプーンです。
沖縄スプーンの謎
沖縄の釣具屋さんでスプーンコーナーを眺めているとふと気付きました。
やたらと分厚いスプーンが多い!
蛙スプーンも一般的なスプーンと比較すると分厚い設計になっています。
また沖縄の釣り人を見ていると、ただ巻きではなくトゥイッチ等アクションを入れながらスプーンを使っている方が多い!
これらはどのような要因からこうなっているのか、非常に気になったので環境的な視点から分析してみました。
分厚いスプーンが多い理由
なぜ沖縄には分厚いスプーンが多いのか。
まず一般的なスプーンと比較した時の分厚いスプーンの基本的な特徴は以下の通りです。
・よく飛ぶ
・フォールが早い
・アクションレスポンスは良くない
・早巻きするとグルグル回ってしまう
分厚いスプーンの大きな武器は「飛距離」と「早いフォール」です。
ということは沖縄のリーフフィッシングにおいて重要なのは飛距離と早いフォール、いや、ちょっと待てよ、実際に本州と沖縄の双方で釣りを何度もしているからわかる、特別本州よりもこの2つの長所を圧倒的に必要だと感じるコトはない。
ここで釣れる魚たちに目を向けてみる。
冒頭でお伝えした通り沖縄では決して小型とは呼べない魚が釣れる。
ましてや根擦れ必至のリーフエリア(岩礁地帯)、なるほど、必然的にある程度強いタックルを使うコトになる。
自ずとラインも太くなる、本州のライトゲームで使うようなPE0.4号リーダー1.5号なんかじゃあ弱すぎる。
沖縄在住の釣り上手な友達はPE1.5号のリーダー30lbとかを使っている。
と、なってくると、ルアーが飛ばない。
なるほど、たどり着きました、上記のような理由でアクション性能よりも機能性を重視した方が結果的に釣れる!という実績から沖縄では分厚いスプーンが主流になっているのですね。(推測)
アクションを入れながらスプーンを使う理由
分厚いスプーンが多く使われる謎は解けました。(たぶん)
ではもうひとつの謎、なぜ沖縄のルアーマンはスプーンを使う時よくトゥイッチを入れるのか。
スプーンの基本として、ゆっくりただ巻きがなんだかんだ一番釣れる使い方というのは間違いではないと思います、もちろんアクションを入れた方が有効なシーンもありますが。
ただ、明らかに沖縄のルアーマンはアクションを入れてスプーンを扱う頻度が高いと感じます、むしろこれが基本的な使い方のような。
これは前段の分厚いスプーン云々のところで答えは出ていました。
分厚いスプーンは一般的なスプーンと比べて動きません、また早く巻くとグルグル回ってしまうだけです。
ただ、タックル的に分厚いスプーンを使う方が有利である、故に分厚いスプーンで釣るにはどうすれば良いかを思案した結果、自らルアーにアクションをつけてやる、というような経緯になったのではないでしょうか。
ここまで理屈っぽく考えずとも実際にフィールドで釣りをしてきた方々が感じたこと、考えたこと、釣果から自然発生的に進化してきたのではないかと推察します。
使い方的にはジグに近く、それでいてシャローでも使える、そして前提として強いタックルで使える。
これが浸透して理由は知らずとも沖縄では分厚いスプーンが釣れる!となったように感じます。
うむ、アクションをつけてスプーンを使う謎が解けました。(たぶん)
分厚くないスプーンは釣れないのか?
基本的にスプーンは薄いモノほどアクションが良くよく釣れます。
しかし飛ばない。
既述の理由から特に沖縄ではその機能性の低さがネックとなります。
ただ、当然ながら魚の前に分厚くないスプーンを通すことができれば釣れます、というかより釣れます。
ここでかなり単純な発想が湧きました、「分厚くというより、1サイズでかくしたらええんちゃう?」と。
4gの分厚いスプーンを使うなら7gのノーマルなスプーンを、7gなら10gを、と。
分厚いスプーンは機能性重視、薄い(というかノーマルな)スプーンはアクション重視のモノが多いので、上記の理論で言うとノーマルなスプーンは1サイズ大きくすることによってその飛距離や使い勝手がカバーされます。
結論から言いますと、この作戦は成功しました。
と言うのも、例えば本州のアジングやメバリングに代表されるライトゲームはまず釣り人が多い。(地域にもよりますが)
そのためどうしても魚にプレッシャーがかかっている場合が多く、ルアーサイズ等にシビアなことが多いです、特に都市部に近い場所ほど。
一方で沖縄は釣り環境として非常に良いにも関わらず、人口が関係しているのか意外と釣り人が多くない。
足場の良い漁港や堤防はまだしも、立ち込んで釣るようなリーフエリアではたくさんの釣り人がひしめき合っているような光景は見たことがありません。
このことから魚があまりスレておらず、またそもそも釣れる魚のサイズがある程度でかいのでルアーのサイズをひと回り大きくしてもなんら食い渋るようなことはありませんでした。
そもそもなぜスプーン?
話が少し前後しますが、そもそもなぜ沖縄ではスプーンがルアーフィッシングにおいて定番になっているのか?ということ。
これもあくまで推測ですが、沖縄の「環境」からそうなっているのだと考えます。
これは沖縄のスプーンに限らず、ルアーは使用される環境や状況に適応するように作られます。
リリーパッドの上をフックが草などに絡むことなく引いてこれるライギョ用のフロッグ、水中のウィードの中をダイレクトに攻めることができるブラックバスのテキサスリグ、水面で魅力的なバブルや引き波を作り青物を誘い出すトップウォータープラグ等々。
当然沖縄にも川や磯、サーフ等本州にあるような釣り場がありますが、一番大きな違いはやはりリーフエリアが多いということ、そしてそこにはたくさん魚がいるということ。
遠浅なリーフエリアでルアーフィッシングする場合を想像すると割とイメージしやすいと思います。
メタルジグやメタルバイブは沈みが早すぎる、もしくはシャローや表層付近をゆっくり通してくることができない。
ワームはモンガラ等の猛攻ですぐに食われてなくなってしまう。
というように想像していくと使いやすいルアーは限られてきます、トップ、ミノー、シンペンあたりがまず思い浮かびます。
その中でも、遠投性能があり表層からボトムまで探れスローにも速くも使えて強いフックを装着することができ、おまけに安いスプーンというルアーはなかなかどうして沖縄の環境にドンピシャリ。
結局、沖縄の環境にベストマッチしたのがスプーンだった、というコトだと思います。(特にリーフエリアにおいてです)
沖縄でおすすめのスプーン6選
ここではリーフエリアで使いやすいスプーンをご紹介します、なお沖縄で有名な蛙スプーンやAPOON!は他の多くの方が解説されていますのでここでは別のおすすめスプーンを、特に分厚くない系のスプーンを。
ベネター(ブラスビー)
14gを使用してヒラアジ系やフエフキ系を狙ったミドルゲームがかなりエキサイティング。
この際かなり強いタックルを使うのでスイベル、スプリットリング、フックは要交換です。
また4.5g、8gでのライトゲームもめちゃくちゃ楽しい、個人的にはベネターを持って沖縄、特に離島に行くのが気軽で開放的で最高に楽しい釣りのひとつです。
チヌークS(ダイワ)
14gがアクション、機能性ともに◎
インリーフの大型狙いでは一番おすすめの万能スプーンです。
また4.5gは厚みがあり沖縄にマッチする系、7gは逆に薄く良い動きでシャローを攻める時に使いやすい仕様になっています。
ツインクルスプーンNA(タックルハウス)
イシミーバイやとにかく色んな魚種を釣りたいライトゲームに最適。
4.5g、6.5g、8.5gのラインナップがありタックルが強くて4.5gは使えないといった時は8.5gにする等対応が可能です。
モアシルダ(ブルーフォックス)
ソルトで使いやすい仕様になっており、22gのラインナップがあるのがありがたい。
深さのあるリーフエリアやサーフ絡みのポイントでは大活躍します。
また6gと10gは沖縄のライトゲームではちょうど使いやすいサイズ感。
ピュア(スミス)
サイズラインナップが多い定番スプーン、ピュア。
3.5g以上の出番が多いと思います。
遠浅のポイントが多い沖縄ではそのフォールの遅さが武器となり、よりスローに使うことができるスプーンです。
スティーズスプーン(ダイワ)
大型のフエフキやハタ、ガーラと出くわすこともある沖縄の釣り。
特に離島なんかではその確率も上がります。
そんな魚は当然でかいサイズのルアーにもアタックしてきます、このスティーズスプーンは使いやすい14gから一番でかいサイズで73gまであり、タックルは選びますが大物狙いの方にはおすすめのスプーンです。
北海道も然りですが本州とは大きく違う環境であり、使うタックルやルアーまで変わってくる場所でもスプーンは万能です。
遠征に行き現地の釣具屋さんを覗いてみると新たな発見がありとても楽しいです、と同時に普段使っているルアーのことも深く理解できるヒントが落ちていたりもします。
また沖縄に行きたい^ ^
コメント
メバル、シーバス釣りの時(ソルト)、スプーンにスイベル付けるか、5gの小さいスプーンと大きな20gスプーンの場合は知りたいです
こんにちは、コメントありがとうございます^^
スプーンのサイズ関係なくソルトでは基本的にスイベルを付ける方が良い場合が多いです、早く巻いたり波や風でラインが引っ張られて自分のイメージ以上に速く動いていることがあり、この場合スプーンが回転してしまうので糸ヨレ防止になります。
また海には歯が鋭い魚も多いのでスイベルとスナップを使うことによってフックとの距離ができ、ラインブレイクの確率も少し下げることができます。
スローにしか使わないということであればスプーンに直接スナップでも問題ありませんよ☺
返信ありがとうございます、ちなみに、スプーンはルアーとして結構シンプルだが万能と思う、最近私よく使ったダイソー5gスプーンはぐるぐる回転はほとんど、やはり巻きすぎ、または流れが速いかも。
ぐるぐる回転のはアクションとしてはいいか悪いのか?やはり派手すぎる?(ライトソルトの場合)
ぐるぐる回転しても釣れないことはないですが、スプーンが一番よく釣れるアクションは回転せずにヒラヒラと泳いでくる動きです。
早く巻きすぎるとほとんどのスプーンは回転してしまうので、基本的にはゆっくり巻いてみて下さい^^