晩秋~梅雨にかけて接岸し、特に厳冬期の釣り物が少なくなる時期にショアアングラーを楽しませてくれる可愛くもパワフルな魚、メバル。
現在の日本ではライトソルトゲームのメインターゲットとして定番となっており、メバリングと呼ばれ多くの釣り人に親しまれている釣りです。
軽装で釣行できタックルも軽く、また比較的アタリの多い釣りであることからも女性アングラーが嗜まれている姿もよく見かけます。
しかし、釣り人によっては周りはよく釣れているのに自分は釣れない。
メバリングをしたことがないから何をどうすれば良いかわからない。
そもそも自分の行くポイントにメバルがいるのかわからない等、実際はメバリングに対して少し苦手なイメージを抱えている方も少なくありません。
筆者もメバリングを始めた最初の頃はある程度の情報や知識はあったものの実際に釣り始めると意外と釣れない、やはり実際にそのポイントで自分で釣りをしてみないと分からないことはたくさんあります。
そんな経験からここではメバリングの基本、さらにまだ一般的になっていないメバルがよく釣れるルアー、スプーンでの釣り方とメバリングにおすすめのスプーンを6つご紹介します。
ちなみに、メバルはライトゲームというイメージから2g以下とかのマイクロスプーンしか使わないと考える方も少なくないと思いますがそんなコトもなく、むしろ4g程度がメインになるコトが多いです。
メバリングの基本
まずタックルですが、竿はメバリングロッドとかライトソルトロッドとか呼ばれる竿を使います。
長さは7フィートを基準に6’~7’6″程度、硬さはルアーのキャストウェイト(投げれる重さ)が1~10g程度のものでok。
リールは2000番を基準に1000番及び2500番でも大丈夫です。
ラインはPEラインが基本ですがナイロンやフロロでも問題ありません、ただ遠投が必要な場所ではやはりPEラインが有利になります。
PEラインの太さは0.4号基準、30cmを超えるようなメバルがいるポイントや岩礁地帯、海藻の濃い場所では0.6号、小型中心で擦れる心配がないような場所なら0.2号や0.3号でも問題なし。
ショックリーダーは0.4号の場合1.5号、0.6号では2号、0.2号では1号、0.3号では1.2号あたりです。
ナイロンやフロロカーボンラインを使用する場合は1号(4lb)あたりでok。
基本的な釣り方ですが、釣りやすいのは夜になります。
メバルは暗くなると活性が上がり、また警戒心も和らぐので夜に捕食行動をとる場合が多くあります。
そしてここがひとつ大きなポイントなのですが、メバルとカサゴは全く似て非なる魚です。
カサゴは底や岩の隙間にべったり身を隠して捕食の時だけ飛び出すようなザ・根魚ですが、メバルは中層~表層付近に「浮いています」。
昼間はカサゴと同様物陰に隠れていることも多いですが暗くなると大胆に泳ぎ回るようになり、そして意識は底ではなく「上」を向いていることが多いのです、むしろアジなんかよりもレンジは上です。
このことからメバル用のルアーはトップウォーターや表層付近のルアーが多いことに通じてきます。
よって、釣り方としては底をねちねちするのではなく表層や中層を泳がせてくるような釣りがメインとなります。
メバルが釣れる場所
漁港、磯、ゴロタ場、サーフ等比較的多岐に渡りますが、共通して言えることはストラクチャー(障害物)や海藻の多い場所に生息しやすい魚です。
例えばエサとなる小魚を追って回遊するような青物等とは違い、基本的には季節ごとの良き場所にステイするような魚です。
良き場所とは先述したストラクチャーや海藻の多い場所です、昼間は隠れていることが多い魚であるため何もないような場所に居つくことはあまりありません。
またメバルは純粋なフィッシュイーター(魚を食べる魚)ではなく、むしろゴカイやアミ等の虫系を中心とした食生活を行っており、これらの生物は魚のように泳ぎ回ることはなくある程度安定して一定のエリアに多く生息するため、青物のようにエサを求めて大きく回遊することはありません。
ただ例外としてクロメバルは回遊性が高いとされており、他のシロメバル、アカメバルよりも魚食性が強い種族なのかもしれません。
スプーンを使用したメバルの釣り方
投げる、ゆっくり巻く、以上です笑
既述の通りメバルは表層付近でよく釣れる魚です、これによりスプーンを投げて着水したらすぐにゆっくり巻いて表層付近、ないし少し待って中層を通してくるだけで釣れます。
同じメタルルアーであるメタルジグやメタルバイブとの違いは、スプーンはゆっくり巻いてくることができるという点、またしゃくったりアクションを入れずとも巻くだけでよく動いて泳いでくれるという点です。
メタルジグやメタルバイブをゆっくり巻こうとするとどうしても沈みが早く、できないことはないですが浅いレンジを通してくることが難しくなります。
またメバルに対しては激しい動きやトリッキーなルアーアクションは不要(デイゲームではリアクション的に食わせるために効果的なシーンはあります)であり、これもナチュラルにヒラヒラとアクションするスプーンの動きがマッチしている要因のひとつです。
プラグやワームと比較しても遠投性能やレンジコントロール(通してくる深さの調整)がしやすく、スプーンはメバルに対してベストマッチなルアーなのです。
唯一弱点を挙げるとすれば、足場が高すぎるような堤防ではスプーンが浮きすぎてしまい使いにくい、という場面はありますが、ある程度の高さであれば問題ありません。
メバリングで使用するスプーンの大きさは2~8g程度、メインは4g程度で小さいルアーにしか反応しない状況や釣り人が多くスレているような漁港等では3g以下、遠投が必要であったり大型のメバルが狙えるようなエリアでは7g、8gといったメバリングにしては大きめのスプーンも使います。
フックに関してですが、トラウト用スプーンに標準装備されているシングルフックでもokです、が、メバルはショートバイト(ついばむような食い方)も多いため、小型メタルジグ用のアシストフックや細軸の小さいトレブルフックに交換するとフッキング率はアップします。
カラーに関してはナイトゲームが基本となるのでグローやチャート系の視認性が高いカラーが使いやすいものの、それほど大きな差は感じません。
逆にグローが強すぎて光りすぎると嫌われるようなことがありましたので、これだけ注意すれば大丈夫です。
メバリングおすすめスプーン6選
ベネター(ブラスビー)
メバル釣るならベネター4.5g。
スプーンに限らずメバルをルアーで狙うならベネター4.5gは必ず持っておきたいルアー。
スローに巻いても非常に良く泳ぎメバル用に作られたんじゃないかと思うレベル、特にメバルが浮いていて表層を意識している時は爆発します。
フックは細軸のトレブルやアシストフック等に交換して使用、尺サイズも狙えるような状況では8gでの大型狙いもおもしろいです。
クルセイダー(ダイワ)
特に2.5gはメバルの数釣り最強スプーン。
メバルだけでなくライトゲーム全般で活躍してくれます。
メバルには2.5g、4gがおすすめ、状況によっては7gまで。
ツインクルスプーンNA(タックルハウス)
ツインクルスプーンNA4.5gはメバルスプーニングの中心となるスプーン。
サイズ感といい動きといい非常にメバリングにマッチしています、まずはこれを投げて状況を観察し、次の一手に出るという組み立ての軸となるスプーンです。
6.5gも少し遠投が必要な場合や大型狙い時は使用します。
ピュア(スミス)
3.5gあたりを中心に1.5~6.5gまで細かくサイズを刻んであるため微調整が可能。
ピュアはゆっくり巻いてもしっかりと動くスプーンであるため、ゆっくりした使い方をするメバルスプーニングにマッチしたスプーンのひとつです。
リバードルフィン(アートフィッシング)
日本でのスプーンフィッシングのパイオニア的存在、常見忠さんのスプーン「バイト」を販売するアートフィッシングのスプーンです。
このリバードルフィンには3.7gという小さい番手があり、これがメバリングには最適。
忠さんのノウハウが継承されているスプーン、見た目にも美しいスプーンです。
使用サイズは3.7g、6.6g。
エッジダイヤ(スミス)
表面にダイヤカットを施され独特なフラッシングをするエッジダイヤ。
同じスミスでドロップダイヤというスプーンもあり、こちらはスローに使用しやすく、比較的浮き上がりが抑えられたエッジダイヤの方は漁港等足場の高い場所で使いやすくなっています。
3g、4.7gをメインで使用。
見た目からも、また生物学的な分類からも所謂「根魚」にカテゴライズされていますが、カサゴやハタとは釣り方が大きく違う魚、メバル。
様々な魚が釣れるスプーンですが、メバルには特にマッチしたルアーです。
初心者の方はスプーンを持ってメバリングチャレンジ、またベテランの方も新たな武器のひとつとしてぜひスプーンをお試しください。
コメント
トラウト用2G3Gぐらいスプーンなら、メバルに対応できますか
ちょうど良いですよ。
エリアトラウト用だとバーブレスフックが付いていると思うので、カエシのある鈎に替えた方がキャッチ率が上がります。
足場が高すぎるような堤防ではスプーンが浮きすぎてしまい使いにくいという点はリーダーにガン玉を付けば(スプリットショットリグみたい)、多分解決と思う、多分、、
それも可能です、ただスプリットショットにするとキャストした時にシンカーがスプーンを追い越してフックがラインに絡んでしまうことが頻発します。
この時、フックをリアではなくフロントのみにアシストフックを付けるとこのトラブルを回避できますよ^^