とにかく釣りを始めたいがどこで何をどうやって釣ればいいかわからない。
普段と違う魚や初めての場所で最初に何から投げていいかわからない。
エサを針につけるのが気持ち悪かったり臭くてイヤ。
こんな悩みを抱えている方は意外と多いはず、というのも筆者もこれらの悩みを実際に感じていたからです。
以前海外で生活していたことがあり、釣りが大好きなので当然どこで暮らしていようが釣りに行くわけですが情報が少なくどこで何をすればいいのかわからないし、エサもどこで買えるかわからない。
これは海外に限った話ではなく、日本国内でも初心者の方はネット上で情報収集できる時代とはいえ、実際に釣りを始めるとなると近くに釣りが詳しい知人でもいないかぎり意外と困ってしまうことも少なくないと思います。
そんな時、スプーンというルアーを持っておくと色んな魚を狙うことができます。
ルアーなのでエサを準備する必要がなく、荷物も比較的少なくなり気軽に釣り場へ足を向けることができます。
またスプーンは海でも川でも湖でもサイズ(大きさや重さ)を何種類か持っておけばそれだけで釣りが成立するため、まずスプーンを持って釣り場に行き、それから実際の場所や魚種に合わせて他のルアーも試してみる、というような釣りの始め方がおすすめです。
ニジマス等のトラウト類を釣るのには定番であるスプーンですが海でも非常に効果的。
マイクロスプーンなんかも小物五目釣りで大活躍します。
ここではスプーンの使い方や色んな魚を狙える万能スプーンを6つご紹介します。
スプーンとは
そもそもスプーンとはどういうルアーなのか。
スプーンは金属(基本的には真鍮)の板を食器のスプーンのすくう部分のように湾曲させたメタルルアーです。
ルアーの始祖と言われており、昔アメリカで誤って湖に落ちてしまった食器のスプーンに魚が食いついた、という出来事が起源とされています。
ルアーのスプーンはヒラヒラと泳ぎ、キラキラと光を反射してターゲットにアピールします。
最近の日本ではトラウト(ニジマス等)でしかあまり使われていませんが、海外では比較的様々な魚に対して使用されています。
大きさは多岐に渡り、マイクロスプーンと呼ばれる1gにも満たないモノからマグナムスプーンと呼ばれる70gを超えるようなモノまで様々なサイズがあります。
マグナムスプーンに関しては使う竿やリールを選び汎用性が低い為ここでは割愛します。
なぜスプーンは万能なのか
スプーンは金属製なので遠くまで投げることができます。
また「沈む」ルアーではあるのですが巻くと少し浮き上がってきます、このことから水面直下~底まで釣り人の通したいレンジにスプーンを届けることが可能です。
そしてスプーンは小魚のように泳ぎ、この動きが魚、特にフィッシュイーター(魚を食べる魚)を魅了します。
実際に筆者がスプーンで釣れた魚はシーバス、ヒラメ、アジ、メバル、カンパチ、メッキ、カマス、カサゴ、ハタ、フエフキ、ブラックバス、ライギョ、カワムツ、オイカワ等々、これ以外にもたくさん釣れています。
スプーンの主な使い方
1.スローリトリーブ
ただゆっくり巻くだけです。
スプーンの基本であり、これが一番よく釣れたりします。
基本的には一定のスピードで巻いてくるのですがアバウトでも問題なし。
水面直下を引いてきたいときはスプーンが着水してすぐに巻き始め、ボトム(底)の方を引いてきたいときは一度ボトムまで沈めてから巻き始める等、任意のレンジまで沈めてから巻き始めることで様々な深さを引いてくることができます。
初心者の方はとにかく投げてゆっくり巻いてくるだけでok。
2.トゥイッチ
竿先でチョンチョンとルアーを弾きながら巻いてくることです。
チョンとする度にスプーンがキラッとして小魚が逃げ惑うような動きを演出します。
小魚が追われている時や短い距離でたくさんターゲットにアピールしたい時などに有効です。
コツとしては強く激しく竿でスプーンを動かそうとするのではなく、竿先で優しくスプーンの動きに緩急をつけてあげるイメージです。
3.ミディアムリトリーブ、ファストリトリーブ、ストップ&ゴー
中くらいで巻く、速く巻く、巻いて止めてを繰り返す、です。
基本的にスプーンは中くらいで巻くとイレギュラーなアクションになり、そのトリッキーな動きについ食いついてしまう、ということがあります。
この食いつき方をリアクションバイト(反射食い)と言い、あまり食い気の無い時でも釣れたりすることがあります。
速く巻きすぎるとスプーンはグルグルと回ってしまいます、決してこれが釣れない訳ではないのですが経験上あまり良い反応を得られたことはありません。
しかし時に速く移動するモノによく食いつく魚や状況があります、この時は実際に自分の目でこれくらいまでのスピードだとグルグルしないな、というスピードを確認しておき、そのスピードを限度として使うとうまくそのスプーンのポテンシャルを引き出してやることができます。
スプーンには動きが止まっている瞬間がないという特徴があります。
つまりフォール(ルアーが沈んでいく)中もヒラヒラと動いており、この時に釣れることも多いルアーです。
このフォールをリトリーブ中に織り交ぜたものがストップ&ゴーであり、魚に食わせる「間」を与えたり、動きの変化によって食いつかせるといった使い方です。
またボトム付近をずっと通してきたい時も巻くのを止めてフォールを入れることにより、よりタイトにボトムを攻めることができます。
4、リフト&フォール
ルアーを浮かせて落とす、を繰り返す使い方です。
これは特に海のハタやカサゴ等の根魚と呼ばれる魚を狙うときに有効。
まず底までスプーンを沈めて、そこから竿を縦にチョンチョンとあおるように動かしてスプーンを持ちあげます。
何回かあおって持ち上げた後また底まで沈めます、これは底を重点的に攻めることができるため普段底の方で生活している根魚たちにダイレクトにアピールすることが可能です。
ただ磯等のあまりにも岩がゴツゴツとしているような場所では根掛かり(底にルアーが引っ掛かってしまうこと)が頻発してしまう為、操作には注意が必要です。
スプーンのメリット・デメリット
メリット
・遠投が効く
・水面直下~底まで様々なレンジを通せる
・巻くだけで釣れる
・金属製ルアーの中ではフォールスピード(沈む速さ)が遅くじっくり魚に見せることができ、また根掛かりも比較的少ない
・色んな魚が釣れる
・真鍮は頑丈で壊れることがほぼない
・ワーム(ソフトプラスチック製ルアー)ではすぐに噛み千切られるような状況でも使用できる
・ターゲットに合わせて自由にフック(はり)を交換できる
・一般的なハードプラスチック製ルアーよりも安い
・かさばらないので携帯に便利
デメリット
・足場の高すぎる場所(高い堤防等)では巻くと浮き上がりすぎて使いにくい
・フォール時はまっすぐ落ちていかない、トリッキーなランダムフォールのためテトラや岩の隙間に落とすような釣りには向かない
・巻いているときは比較的根掛かりしにくいがべったり底に置くような釣りではさすがに根掛かりが多くなる
・メタルジグと比較すると風や水流の影響を受けやすい
おすすめスプーン6選
ベネター(ブラスビー)
ターゲット無制限の万能スプーン、ほとんどのスプーンがトラウト用に設計されているのに対しベネターは魚種や場所を限定せず様々な魚に有効なよう設計されています。
とにかくアクションが秀逸、スローに巻いてもよく動き、スプーンの弱点とも言える速く巻いたときにぐるぐる回ってしまうこともかなり抑えられています。
4.5g、8g、14gのサイズ展開でライト~ミドルゲームに対応、海釣りでも淡水の釣りでも広くカバーでき、ベネターだけで十分釣りを楽しめるレベルです。
ツインクルスプーンNA(タックルハウス)
ゆっくり巻いても速く巻いても良い動きをする万能スプーン。
ボディの先端と後端を薄くしたテーパードボディにより常に動いているノンストップアクションを実現しています。
4.5g、6.5g、8.5gの3サイズ展開、ライトゲームにおいてイチオシのスプーンです。
ピュア(スミス)
スプーンといえばピュア、と言われるほど名実ともに代表的なスプーン。
ワイドボディによる安定した泳ぎはさすがの一言。
サイズも1.5gから18gの9サイズ展開とバリエーション豊富で多くの状況にアジャストできる。
ピュアの特性としてはスローリトリーブが得意なスプーンである為、ゆっくり巻いてきたい時に活躍してくれます。
チヌークS(ダイワ)
ピュアと双璧をなす有名スプーン、チヌークS。
元祖チヌークからの歴史は長く、万能という意味では既存スプーンでは最高クラス。
4.5gから25gと幅広いサイズ展開も相まってブラックバス、シーバス、ヒラメ、根魚、青物等様々なターゲットに対応可能。
クルセイダー(ダイワ)
チヌークSと兄弟的な位置にいるクルセイダー。
こちらは細身のチヌークSとは対照的にややワイドボディ、そして板厚が薄め。
これによりゆっくりしたフォールや安定した泳ぎをするスプーンであり、筆者が特に気に入っているのは2.5g。
この番手が海のアジ、メバルや川のカワムツ等のマイクロゲームで大活躍。
モアシルダ(ブルーフォックス)
スリムボディで比較的速巻きでも使えるビジュアルも魅力的なスプーン。
一般的に流通している製品で20gを超えるスプーンはそこまで多くない中、22gのラインナップがあるのも嬉しい。
サイズ展開からも海のミドルゲームで出番の多い海外系スプーン。
釣りをしたいしたいとは思いながらなかなか始められていない方、釣りはルールとモラル(釣り禁止の場所ではしない、他の釣り人の邪魔をしない、ゴミは持ち帰る等)さえ守れば誰でも自由に楽しめる遊びであり、釣れなくても自然の中で過ごすだけで気持ちよく、決して敷居の高いものではありません。
スプーンを片手にまずは釣り場に行ってみることで新たな発見があるかもしれませんよ♪
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